オーストラリアの釣り規則
(オーストラリアの各州で定められたサイズ、匹数、リリース方法について)


(大きな魚を垂直に持ち上げるのは止めましょう。また、エラに手を入れたり、逃がす魚の重量を計ったりするのも避けましょう。無意味に殺さず、優しく放流してあげましょう。)
オーストラリアでは、水産資源保護の目的の為に、各州のFISHRIES(水産庁)より、リクリエーションフィッシングに対し、各種のレギュレーションが定められています。レギュレーションには、釣り魚の持ち帰り数やサイズ、釣り方、使用釣具などの詳細が定められていて、違反すると罰金が科せられます。また、確信犯の場合は裁判で高額な罰金が科せられているので注意が必要です。ちなみに漁業ライセンスを持った職漁師以外の一般アングラーは、釣った魚の売買は禁止されています。尚、オーストラリアでは強制ではありませんが、キャッチ&リリースが推奨され、そのリリース方法についても詳細な説明がされています。

★レギュレーションの概要

  オーストラリアの水産庁では、水産資源保護を考えながらレクリエーションアングラーも楽しくフィッシングを楽しめるよう、いろいろなレギュレーションを設定しています。毎年、資源調査を行いながら、水産資源が枯欠しないようサイズや匹数を調整しています。また、ライセンス制度で得た資金は、放流事業や資源保護の広報、密漁者パトロール、研究などの用途に費やされています。

〇釣りライセンスについて

  釣りのライセンスは州によって、金額、対象となるエリア(海水、淡水、ダム)が違います。  ライセンスは釣り道具屋さん、釣り場の近くのスタンド、雑貨屋などで購入できるところもありますが、ネットで事前購入されるのが無難でしょう。

〇規定サイズ

  規定サイズは州によって、持ち帰っていい対象魚の種類、その大きさ、匹数などが違います。  そしてその内容は資源量の調査によって毎年変更されます。  釣り魚以外に、カニやエビ、貝類などにも規則があります。

〇絶滅危機種

  持ち帰ってはならない絶滅危機の貴重種やかなり資源量が減ってしまった魚など

〇キャッチ&リリース

  強制ではありませんが、アングラーの常識として多くの人はうまく放流しようと努力しています。

オーストラリアの釣り規則(ライセンス)
(オーストラリアの各州で定められた釣りライセンス)


オーストラリアで釣りをする場合には、州によってライセンス制度が設定されています。ライセンス制度で得た資金は、放流事業や資源保護の広報、密漁者パトロール、研究などの用途に費やされています。
ライセンスは、釣り場近くのタックルショップ、雑貨店、スタンドなどで販売していることもありますが、事前購入することをお勧めします。
ライセンスは各州の〔FISHERIES:水産庁〕のWEBでONLINE購入が出来ます。
州名 ライセンス料金 適用水域
QLD州
クイーンズランド州
$7(一週間)
$35(年間)
魚が放流されたダム湖や堰などのみ適用
海やその他の河川などの釣りはラインセンスは不要です。
NSW州
ニューサウスウエールズ州
$6(三日間)
$12(月間)
$30(一年間)
$75(3年)
海、淡水などすべての釣りに必要。
尚、チャーターボート、釣りガイドなどは、
お客さんの分をまとめ買いしているのでライセンス購入は不要。
VIC州
ビクトリア州
$5.5(2日間)
$22(28日間)
$22(一年間)
$60(3年)
海、淡水などすべての釣りに必要。
TAS州
タスマニア州
$17.5(1日間)
$29(7日間)
$45.5(28日間)
$57(一年間)
淡水の釣りに必要。
WA州
ウエストオーストラリア州
$27(一年間) 淡水の釣りに必要。
16歳以下は不要
SA州
サウスオーストラリア州
$ーーー 不要
NT州
ノーザンテリトリー州
$ーーー 不要
ライセンスは18歳以上70歳までの人が必要です。

オーストラリアの釣り規則(制限サイズと匹数)
(オーストラリアの各州で定められた釣り魚の制限サイズと匹数)


オーストラリアで釣りをする場合には、州によって持ち帰ってよい魚の大きさ(全長)と匹数の制限があります。
これは水産資源が枯欠しないよう、毎年資源調査を行い、その情報をもとにサイズ、匹数などを決定します。
この数値は毎年見直されますので、最新の制限サイズと匹数の詳細は各州の〔FISHERIES:水産庁〕のWEBで参照されてください。
尚、制限外の魚はたとえ死んでしまっても釣った場所にリリースしなければなりません。
また、匹数以内の魚でも不必要であれば、出来るだけ生存率を高めるようにリリースする必要があります。匹数制限数まで無意味に殺してよいと解釈されないで下さい。
魚の全長は左記のように計ります。尚,計るときは魚の表皮を傷つけないように、表面が濡れた場所などの上で行って下さい。
下記の一覧表は、代表的な釣り魚だけ一例の記載ですので、より詳細な内容は各州のFISHERIESのWEBで確認されてください。また、サイズや匹数以外にも、釣り禁止地区や禁漁期間などを設定されている場所もあります。(とくにバラムンディとトラウト類は注意が必要です。)

SaltWater..海水(汽水)の釣り魚

(−−ー)特に設定されていないか、またはその州では対象外(生息していない)の魚。
魚種 QLD州 NSW州 VIC州 TAS州 WA州 NT州 SA州
バラマンディ..
和名近種:アカメ
58cm〜 120cm
5匹まで
--- --- --- --- 55cm〜
5匹まで
---
スナッパー..
和名近種:マダイ
35cm〜
5匹まで
30cm〜
10匹まで
27cm〜10匹
50cm 以上3匹
合計10匹まで
--- 41cm〜
4匹まで
ゴールデンスナッパー
5匹まで
38〜60cm5匹
60cm以上2匹
ブリーム..
和名近種:キチヌ
23cm〜
制限なし
25cm〜
20匹まで
28cm〜
10匹
25cm〜1
10匹
25cm〜
8匹まで
--- 28cm以上10匹
フラットヘッド
和名近種:マゴチ
40cm〜70cm

5匹まで
36cm〜
10匹まで
25cm〜
30匹
30cm〜
30匹
30cm〜
8匹まで
--- 30cm以上10匹
キングフィッシュ
和名近種:ヒラマサ
50cm〜

制限なし
60cm〜
5匹まで
サイズなし
5匹
--- 60cm〜
2匹まで
--- 60cm以上2匹
テイラー
和名近種:網切り
30cm〜

20匹まで
30cm〜
20匹まで
23cm〜
制限なし
--- 30cm〜
8匹まで
--- ---
サンドホワイティング
和名近種:キビレキス
23cm〜

制限なし
30cm〜
20匹まで
--- --- サイズ制限なし16 匹まで --- 24cm〜
20匹
キングジョージ
和名近種:アオキス
--- --- 27cm〜
20匹まで
--- 28cm〜
12匹まで
--- 30cm〜
12匹
ジューフィッシュ
和名近種:大ニベ
38cm〜

5匹まで
45cm〜
5匹まで
50cm
10匹
--- 50cm〜
2匹まで
サイズ制限なし
5匹まで
75cm以上2匹
ルダーリック
和名近種:メジナ
23cm〜

制限なし
25cm〜
20匹まで
22cm〜
10匹
--- --- --- ---
ブラックフィッシュ
和名近種:オキナメジナ
--- 30cm〜
10匹まで
--- --- --- --- ---
トレバリー
和名近種:シマアジ類
一部地域で35cm〜 サイズ制限なし
合計20匹まで
20cm<〜br>20匹まで 20cm〜
制限なし
25cm〜
12匹
--- 24cm〜
20匹
イエローフィンツナ
和名近種:キハダ
--- 90cm以内合計5本まで
90cm以上合計2本まで
--- サイズ制限なし
合計2本まで
サイズ制限なし
8本
--- サイズ制限なし
2本(合計4本まで)
ブルーフィンツナ
和名近種:南マグロ
--- 90cm以内合計5本まで
90cm以上合計2本まで
--- サイズ制限なし
合計2本まで
サイズ制限なし
8本
--- サイズ制限なし
2本(合計4本まで)

FreshWater..淡水の釣り魚

魚種 QLD州 NSW州 VIC州 TAS州 WA州 NT州 SA州
オーストラリアンバス
和名近種:小口バス
30cm〜
2匹まで
35cm以内は2匹
35cm以上は1匹
25cm〜
2匹まで
--- --- --- ---
トラウト類
和名近種:虹、ブラウン
--- 25cm以上
場所によって2〜10匹
サイズ制限なし
場所によって匹数が違います
場所によってサイズ、匹数が違います。 30cm〜
4匹まで
--- ---

オーストラリアの釣り規則(保護対象魚)
(オーストラリアの各州で定められている保護対象魚)


オーストラリアで釣りをする場合には、州によって持ち帰ってはいけない保護魚を設定しています。それらの魚は絶滅危機種や開発に伴う環境破壊によって生息地を無くし、生息数が激減してしまった魚などです。釣り上げた場合は最大限に生息出来るようなリリーステクニックで放流する必要があります。尚、下記一覧は釣りの外道として掛かる率の高い魚を載せています。

QLD州(クイーンズランド州)の保護対象魚

マレイリバーコッド(和名:?)
Mary River cod
Maccullochella peelii mariensis
主にQLD州南東部からNSW州北東部の淡水域に生息、最大20kg、平均5kg
ラングフィッシュ(和名:豪州肺魚?)
Queensland lungfish (ceratodus)
Neoceratodus forsteri
河川、湖、池などの淡水域に生息、最大1.5m30kg
バラマンディコッド(和名:サラサハタ)
Barramundi cod (humpback cod)
Cromileptes altivelis
主に珊瑚礁エリアに生息、最大70cm5kg
マオリコッド(和名:メガネモチノウオ)
Maori wrasse (hump-headed maori wrasse)
Cheilinus undulatus
主に熱帯地方の珊瑚礁や汽水地域に生息、最大230cm190kg(平均サイズ1m前後)
ポテトコッド(和名:カスリハタ)
Potato cod (rock cod)
Epinephelus tukula
主に熱帯地域の珊瑚礁や岩礁根に生息、最大2m以上90kg以上
グルーパー(和名:タマカイ)
Queensland groper
Epinephelus lanceolatus
主に熱帯地域の珊瑚礁や温帯地域の岩礁根に生息、最大2m以上90kg以上

NSW州(ニューサウスウエールズ州)の保護対象魚

トラウトコッド(和名:?)
Trout cod
Maccullochella macquariensis
河川、湖などの淡水域に生息、最大85cm、16kg、平均50cm、1.5kg
Murray cod(下記のMary River codとは別種)と似ているので要注意。
マレイリバーコッド(和名:?)
Mary River cod
Maccullochella peelii mariensis
主にQLD州南東部からNSW州北東部の淡水域に生息、最大20kg、平均5kg
グルーパー(和名:タマカイ)
Queensland groper
Epinephelus lanceolatus
主に熱帯地域の珊瑚礁や温帯地域の岩礁根に生息、最大2m以上90kg以上
エスチャリーコッド(和名:?)
estuary cod
(Epinephelus coioides)
主に熱帯地域の珊瑚礁や温帯地域の浅い岩礁根に生息、最大2m以上225kg以上
ブラックコッド(和名:?)
black cod
(Epinephelus daemelii)
主に温帯地域の岩礁根に生息、最大1.5m以上50kg以上
ブルーデビル(和名:?)
eastern blue devil fish
(Paraplesiops bleekeri)
主に温帯地域の水深20m前後の岩礁根に生息、最大50cm
エレガントラス(和名:?)
elegant wrasse - male
(Anampses elegans)
主に温帯地域の岩礁根に生息、最大30cm

WA州(ウエストオーストラリア州)の保護対象魚

ポテトコッド(和名:カスリハタ)
Potato cod (rock cod)
Epinephelus tukula
主に熱帯地域の珊瑚礁や岩礁根に生息、最大2m以上90kg以上

キャッチ&リリース(リリーステクニック)
(オーストラリアで推奨されているリリース方法について)


最近のオーストラリアでは、キャッチ&リリースが盛んに推奨されています。キャッチ&リリースの手引きなどは水産庁やボランティアグループなどから発行され、無料で釣り道具屋さんなどで配布されています。また、インターネッットからもダウンロードできるのもありますので参照されてください。今回は、いろいろ推奨されている方法の一般的な部分を簡単に説明します。
さて、下記はキャッチ・アンド・リリースでの推奨方法ですので、絶対ではありませんが、魚の生存率を最大にするためになるべく近ずけるように努力して, 魚が元気に泳いでくれるようにしてあげたいものです。
なるべく早く釣り上げて、すばやく逃がしましょう。長いファイト時間は、 魚に強いストレスを与えて弱らせてしまいます。
釣り針は、カエシの部分を潰してバーブレスフックにして、簡単に針外しが 出来き、かつフックによるダメージを少なくしましょう。
フックは、サークルフック(和名:ネムリ針)を使うと、口の奥まで針を飲 み込まれことが少なくなり、魚へのダメージが少なくなります。
出来ることなら、水中でフックを外して、そのまま水中から出さないで逃がす方 法を取りましょう。
もし、針を外すために水中から出す場合は、濡れた手や濡れたタオルを使っ て、魚の皮膚を傷つけないようにしてあげてください。
 また、魚を持ち上げる場合は、魚自身の体重にも配慮する必要があります。大きな魚は、その自 らの体重の重さで、垂直に持ち上げると背骨が伸びて骨折して死に至ります。 (人間でいうと首吊り状態と同じです。)
 お腹の下に手を当てて水平になるように持ち上げます。
また,水中から魚を出すときは、なくべく上記の方法を取り、魚を傷つけて しまう一般の玉網は使用は避けて下さい。ネットはりリース専用のノットレ スメッシュの玉網を使用しましょう。
熱くなったボートの金属の上や乾いた桟橋の上など、魚を寝かすと皮膚が傷付 く恐れのある場所では、濡れたビニールなどを敷くようにしてください。
 また、硬い場所に魚を落とすと、内蔵が破損してまうことがあります。
魚から針を外すときは、ペンチか針外し用バサミを使用すると手早く出来ます。
もし、フックが口の奥まで針を飲み込まれてしまったときは、無理に外そうとせず、 針のすぐ上の糸を切って逃がすほうが生存率が高くなります。
リリースするときはそっとやさしく逃がしてやってください。
最後に、何尾も釣り上げたとか、誰それや人に勝ったとか、何トンも釣り上げたぞ、と自慢したい釣り人もいれば、釣った大物をうまくリリースに成功して喜ぶ釣り人も大勢います。自然を大切にしながら楽しい釣りをしたいものです。

Fish for the Future

Fish forever - for our children and their children's children.

Fish for fun and recreation.

And fish just to look at!

Fish safely and responsibly so you can enjoy fish in the future.